日の昇るにも 手を合わさず、 月の沈むにも 心ひかれず、 あくせくとして 一世を終えし人の いかに多きことぞ。 道のべに花咲けど見ず、梢に鳥鳴けど聞かず。 せかせかとして 過ぎゆく人の いかに多きことぞ。 二度とないこの人生を いかに生きいかに死するか、 耳をかたむけることもなく うかうかとして、 老いたる人の いかに多きことぞ。 川の流れにも風の音にも 告げ結う声のあることを 知ろうともせず、 金に名誉に地位に狂奔し 終わる人のいかに多きことぞ。
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